著作権ネタ

今回は増田式練習法と著作権に関する話です。


今日はITリテラシー講座関連で専門の先生を交えつつミーティング。
前回の日記で書いたような、現実にありそうな著作権関連の問題について論点などを確認しあった。日ごろから各スタッフが気にしている問題をテーマとしているので、聞いているだけで非常に勉強になった。


さて、僕が気にしていた問題。

Aさんは非常に効率的なタイピング練習法を考案してネット上に発表しました。それを見たBさんは「金になる!」と思い、それらの練習法を一連のゲームの中で行えるようなプログラムを作成しました。Bさんはそのソフトをシェアウェアとして公開しましたが、はたして法的に問題あるのでしょうか?


まぁ、まるっきり増田式練習法に関するネタ。
僕としては、他人が考えた案でしかも練習法というかたちですでにまとめられているのだから、勝手にそれに基づいたプログラムを作成し、しかも金を取るなんて言語同断だろうと考えていた。


・・・が!


ちなみに、以下の話はあくまで上のテーマに対する先生の回答です。増田式練習法そのものに対する結論ではないのでご注意ください。


とりあえず、先生によると問題ないらしい(!)
例えば、アニメのイラストなどであればそれを模したキャラクターを描けば二次的著作物として扱われ、原作者の著作権は二次的著作物にも及んでくる。この場合、著作物は「イラスト→イラスト」と緩やかな変化をしている。


一方、練習法に関しては「練習法はあくまでアイデアである」という考えに基づくと、著作権法ではアイデアまでは保護されないとのこと。もちろん、練習法を説明する文章そのものは著作物であるが、「文章→プログラム」という変化をしている時点で、まったく別の著作物になるということらしい。つまり、金を取るかどうかも問題にはならない。もし、このような行為を制限したいのであればこの練習法に関する特許を取らなければならない。特許ではアイデアを保護してくれるらしい。


さて、CIEC TypingClubなんかは「増田式練習法を採用」って書いているけど、あれはいったいどうなんだろう?
404 Not Found

タッチタイピングでは最も定評のある増田式を特別の許可を得てソフトウエアに反映されています

特別の許可?なんだそりゃ。
(TypingClubは意味不明なミス判定があったりしてちょっと嫌い)


あと、先生には「Aさんはネット上で公開している」とだけ言ったけど、現実の増田式は書籍になっていたり、カセットテープ、CD−ROMという形式で販売されている。もちろん、「練習法はあくまでアイデアである」という考え方であればそれ自体が書籍に形を変えようと大して問題ではない。しかし、CD−ROMの中ですでに練習法を実践するプログラムがあったらどうか?


うーん、あらためて実装しなおせば問題ないんじゃないっけ。
とりあえず、増田式をプログラムに実装するにあたって問題なのは「増田式」で特許を取っているかどうかってことなのかな。


おし、特許調べてみるぞっと。特許電子図書館に突入。


おおおおお!ちょっとやばいですよ奥さん。
タイピングに関する特許ってたくさんあるのね。


ちなみに、スーパー特打メソッドにはこんなことが書いてます

特許取得の本格メソッド(特許3405438号)のみを抽出

「特許3405438号」で調べると・・・ありますね。
ちょっと要約を引用させてもらいます。

【課題】 効果的なキー入力練習の技術を提供することである。
【解決手段】 表示装置及び入力装置を有する装置を用いたキー入力の練習に際して、前記表示装置に、左手の少なくとも小指、薬指、中指、及び人指し指を認識させる指認識用の文字、記号、及び/又は図形を左側から中側に順に並んで表示すると共に、(中略)前記入力装置のキーに対応した文字又は記号を表示するキー入力練習方法。

こんな感じのがごろごろしてるんですよ。


ざっと検索したところ増田式は見当たりませんでしたね。
あ、そうそう。こんなものがありました。

出願日 : 1998年4月30日
発明の名称 : ユーザ認証方法及びその装置
【課題】 ニューラルネットワークを用いて、パスワード及び該パスワードを持ち込んで得られたユーザのタイピングパターンに基づいてユーザの真偽を弁えるユーザ認証方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 オーナのログインネーム及びパスワードと、ユーザのパスワードとを受け取り、オーナのログインネーム及びパスワードを格納し、ユーザのパスワードがオーナのものと一致するか否かをチェックして、第1信号を発生するパスワード整合部110 と、オーナがキーストローク特性からオーナのタイミングベクトルを取出して(以下略

以前GANGASさんが管理人メモ(2004.10.03)でタイピングによるユーザ認証について言及されていたけど、1998年以前にそういうことを考えている人がいたんだね。


と、特許について調べてみたけど、実際特許をとっているとどうなのかってのは詳しいところが良く分からない。あとで調べてみよう。