こんなに簡単に個人情報を漏らしてしまう自分

怪しい勧誘を受けて携帯番号を教えてしまって、後でそのことに気づいたらとりあえず着信拒否にしちゃっていいんですかね?

勧誘の巻

今日のお昼のこと。
「人生における問題とはお金や地位、恋人といった物が有るか無いかが問題ではないのだ。そういった欲望そのものでもない、欲望を消すことは決してできないからだ。ならば何が問題かというとそれは無明の闇である。死後どうなるのかという問題こそが根本にあるのである」
という話を滔々と話を聞いて次の約束を取ってきた。


「じゃあ明日は大丈夫かな?昼でいい?」
「はい、大丈夫です」


ことの発端は2週間前。PC講座の検討会議の時間を待ってぽつんとしていると、一人の男がやってきて、人生の目的について説いてきたことだ。哲学を研究している院生で来週「ゼミ」があるので、そのために学部の学生から話を聞いているのだということで15分ほど話をした。非常に暗い話し方をする人であった。


はじめに「工学部の学生?」と話しかけられた時点でちらりと怪しい感じがしたのだが*1、確実な身分確認もしないでほいほいと名前とか電話番号をしゃべってしまったのである。


ちなみにその人は「ここを読んでみて」「・・・なにか質問ある?それじゃ次はここを読んでみて」と頻繁にある本を読ませてきたが、こちらからなにを聞いても自信なさげでまったく理解していなさそうだった。しかし、これはこれでわざとだったのかもしれない。


まったく先の見えない要領を得ない話だったのだが、次に疑問点を解消してくれると言うので一週間後に約束を取った。携帯の番号くらいはいいが、名前を教えたのは正直まずいと思った。


そして、一週間後。何も変わることなく同じように本を読ませられて、親鸞の苦海とか教行信証とか無明の闇といった説明を受ける。疑問点は山のように浮かんで来るのに、それを一向に解消してくれないのははっきり言って馬鹿にされている気がした。


しかし、次の約束を取ってしまうのである。


ちなみに、帰り際に「来週の月曜日に『ゼミ』があるんだけど時間ある?」と聞かれた。その時間は授業があったので断ったが、ここでそれに行っていれば「部会」なるものに参加していたのだろう。


約束は再び一週間後。


すなわち今日。
今日もわけのわからない話をしたら次は来ないぞと思っていたが、そこでタイミング良く次の段階に進むわけである。「今日は『講師』の人に来てもらっているから文系キャンパスで一緒に話をしよう」という流れである。


これは避けにくくなったと思ったが、「ゼミ」とか「講師」とかいう単語だけで見知らぬ他人を大学の関係者と信用しようとしてしまう自分がいるのである。そして、文系キャンパスのロビーの一角でその「講師」は待っていた。


こちらは初めの人とは打って変わって朗らかな笑顔で出迎えてくれた。
快活そうな人である。まず名前と学部と学年を聞かれる。


そして再び始まる親鸞講義。前の人に比べれば具体例を出しつつ理解させようという感じはしたが、はっきり言ってこの話を聞いて人生の目的を見つけられることはできそうに無いと感じた。論理的なつながりがさっぱり見えないのである。


さすがに時間を無駄に過ごしている気がしてきたが


それでも次の約束を取ってしまうのである。


ついでに「なぜ生きるか」という冊子を渡された。

反省の巻

以上が今日までの流れ。後輩にこの話をすると「ああ、その人でしたらいっつも談話室でうろうろしていて一人の人に声かけてますよ」と教えられる。こいつはこいつでその人のことをチェックしていて「あ、カモがひっかかった」と楽しんでいる暇人である。それを聞いて怪しさ爆発である。早速調べてみた。ここに至るまで調べていなかったのだが、まず初めに調べてみるべきであった。


後輩は統一教会とかそこらへんの団体を予想していたようだが、こちらは親鸞の話なので関係ない。調べてみればその団体は一目瞭然である。下のサイトの資料室にあった説明資料とほぼ同じものを見せられたのでまず間違いないだろう。
http://shinrankai.hp.infoseek.co.jp/material.html


結局相手に教えた個人情報は

  • 名前(漢字で)
  • 学部学年
  • 住んでいる町名
  • 電話番号


うかつな人と呼んでください。
初めから怪しいと思いつつも、そしてその怪しさはいつまで経っても解消されなかったにも関わらず次の約束、次の約束と来られると約束してしまうのである。(ノーと言えない日本人なのだっ)


そもそも初めは来週の「ゼミ」に向けた話であったはずなのに、2週間経って今度は「講師」という人が出てくる理由が無い。そして、実験でもないのに一般学生に向かって親鸞の教えを説く理由がさっぱり見つからない。慈善事業で無明の闇とやらを破ってくれているはずもなかろう。


と思いつつもやっぱり断れない。


約束をしてしまうので次も行ってしまう。


こうして一人の会員ができていくのですね。


とりあえず明日の約束にはもう行かないとして、あとは無視していれば良いのかな?家を見つけられることはないと思うがちょっとどきどき。


同じ体験をしたかったら一人であそこの部屋でぽつんとしていると良い。

*1:男と言えば工学部なのは間違ってはいないが、だからこそ大学内でわざわざそう聞かれると外部の人間という印象を受ける