アニメ感想
秋の新番組も始まるので春・夏で見たアニメの感想をいくつか。
機神大戦ギガンティック・フォーミュラ
初めの頃はながら作業でテキトウに見ていたものの共鳴感応が始まった8話あたりで興味を失った作品。しかし、珍しくアニメに対して惜しみない賛辞を送る友人の勧めもあって、本腰を入れて見てみたら非常に面白かった作品。2クールもの。
ロボットもののアニメでロボットそのものや戦闘シーンもなかなか格好良く描かれているが、戦いそのものはほぼ一瞬で片がつくため、戦闘シーンを期待するとがっかりする。世界各地に12体の機体が存在して戦いを繰り広げるが、もっぱら搭乗者たちの生き様が描かれている。これだけ書くと「ぼくらの」に近い構成と言えるかもしれない。世界を守るため、日本を守るために戦うのではなく身近な人を守るために戦うんだという主人公たちの心境にも近いものを感じた。
しかし、ぼくらのの機体ジアースが謎の別世界から来た無機質なものだったのに対して、GFの機体は神性を貴ばれているのに加えて搭乗者と同調する人間性も持ち合わせていたことは大きく異なる点。ぼくらのでは「戦う理由」に関心が行ったが、GFは「機体の存在理由」の方が重要である。機体に神性が宿っているというアニメはよくあるが、最近見た中では「シムーン」とも近いような気がした。シムーンは神そのものではなく「神の乗機」だったが似たようなものである。こちらもやはりメインは戦闘ではなく搭乗者たちの苦悩とかそういったもの。結構いい加減に見ていたのであまり印象にないがきちんと見たら面白かったのかもしれない・・。
他のアニメの話ばかりになってしまったので、戻してGFで良かった点を二つ挙げると搭乗者たちにしこりを残さない展開と雰囲気を盛り上げてくれるBGMかな。主人公達は共鳴感応と呼ばれるシステムで他国の搭乗者の過去や思っていることを知ることができるのだが、基本的に誰も彼もいい人たちである。途中でいやらしい攻撃をしかけてくる連中もいて主人公は疑いを持つが、彼らの内面をのぞいてみるとやはりいい人たち。実は裏で政府が操っていたことが判明するが、それすらも操っていた黒幕が実は隠れたもう一つの機体に宿っていた神だった、という展開は乱暴であるとも言える。一方で、すべての責任をその機体になすりつけて最後にフルボッコというのはわかりやすくて気持ちが良かったりする。
もう一つのBGMだがこれは秀逸。オーケストラによる編成の楽曲はやはり壮大な雰囲気にぴたりと合う。最終回のラストの機体を倒すシーンで流れた曲は身震いがするほどの感激の幕引きをしてくれた。このアニメのサントラは買いだと思う。(音楽の人が夜明け前より瑠璃色なも担当していてビックリ。全然印象にないわw)
というわけで今期一二を争う良アニメだった。
日本のアニメーションではヒューマンドラマを最も良く描けているのはロボット物であるという気がする。
まぁ、納得かしら。
魔法少女リリカルなのはStrikers
信者的感想を言えば最後になのはが主砲をぶっぱなしてすべてが解決したのはいかにも「なのはらしい」終わり方で悪くはない。他に良かった点を挙げると9歳で最強を誇った前作の主役級キャラだけにとどまらず、Bランク、Cランクといった見向きもされていなかった低ランクも含めて管理局社会を広く捉えていたのは好評価(これは主にコミックの話だが)。これまでの魔法少女*1ものにほとんど見られなかった「教育」や「政治」「軍隊」*2という概念を導入したのは面白かった。
新しい点はいろいろあったが、結局そういった設定に何の意味があったのかと小一時間問い詰めたい作品。突っ込みどこらはたくさんあったけど、そのうちのいくつかを挙げると。
- 「チーム戦」はどこいった?
これは主に最後の戦いに対する文句。チームとして戦うための訓練を積み重ねて行き、中盤では何度かそれを発揮するシーンがあったが終盤はチーム戦のかけらも見られず、なのはさんのSLBで終了。機動六課という一個の部隊ならばそれらしく戦って欲しかった。まぁ、「チーム」ではなく「コンビ」(エリ・キャロ、ティア・スバ、ユニゾン)に関しては結構描かれていたので初めからそういう方向性に特化してくれても良かったかなぁ。
- 前半でヤンギレなのはがティアナをフルぼっこにした意味は?
上とも関連して、前半の最大の見せ場となったヤンギレなのはさんのシーン。なのはが一生懸命考えた訓練メニューの指示を無視して危険な行動を取ったからというのもあると思うが、個人的にはチームとしての協調性を考えてのことだと思っていた。しかし、そうすると上の項目にあるように最終的にはあまり一貫性がないように思える。
そういうのもあってのDVD修正なのだろうか・・・。
左がTV版。右がDVD版。
ネタ的にはそのまんまの方が良かったと思うけどね。
- リミッターという設定の意味は?
結局は安易に制限解除して戦うのだろうという目論見通り、さくさくとリミッター解除をしてくれた。確かにSランク級の局員が一つの部隊にごろごろするというのは違和感があるが、その違和感を解消するために導入した設定としてはあまりにもおざなりだったように思える。
- ナンバーズをあんなに登場させた理由は?
一人ひとりについて詳しく描かれるわけもないだろうと覚える気すらなかったが、実際あんなに必要だったのだろうか。登場人物がむやみやたらと増えるのは単に視聴者への負担が増えるだけだ。特殊能力や立場上キャラが立っているのも何人かはいたが、それ以上に増やしたのが主人公側のキャラが一気に増えたのと対応させるためだったのであれば残念。
- 視点があっちこっちに飛びすぎて感情移入できない
上と関連してここが本作品で一番残念だったこと。2クールだからなのかどうかは知らないが、いろんなキャラクターを飛び回っているうちに終わってしまったという感じ。印象に残っているのはやはり序盤のティアナの苦悩のシーンぐらいだ。
- はやてのポジションが中途半端
前半では機動六課のためにいろいろと立ち回っている様子があったが、終盤のはやての扱いがひどいと思ったのは僕だけではないはずだ*3。はやては機動六課を指揮するという立場上、戦闘の矢面に立たずにバックにいるのは正しいが、それならそれでかっこいいシーンを作ってあげても良かったんじゃないか。最後にヴィータを助けに行くために飛び出して行ったのはあまりに中途半端。ついでにはやての変身シーンがなかったのはなぜだ!?
突っ込みどころたくさん。
評価はあんまり高くない。
でも、やっぱりなのはさんのSLBで良い終わり方だったと思えてしまうorz
あ、そうそう。
エリオのシーンで(ry
ドラマCD明日発売。
魔法少女リリカルなのはStrikerS サウンドステージ03
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SchoolDays
Nice Boat.アニメ。
いろんな意味でネタアニメとして有名になったが、アニメで高校生の愛憎劇をそこまでやり切るかという新規性を評価したい。あそこまで感情移入のできない主人公も珍しいが、ハーレム世界に突然放り出されてしまったらどうなるのかを強烈(特に女の子の方)に描写していたんじゃないかと思う。
間違ってハーレム世界に飛び込んでしまった誠はすべてのハーレムゲー、ハーレムアニメの主人公が受けるべき報復をその一身で受けてくれたと考えるととても哀れに思えてくる。