準シナリオ120点!
はぴねす!りらっくす。
当然準シナリオから始めました。
以下感想です。
準のカウントダウンボイスや掲示板などでの話題から準が魔法の世界で女の子になってしまうのではないかと気になっていましたが、結論から言えば最初から最後まで準は準のままでいてくれました。えっちシーンに入るまでずっとどうなるかどきどきしていましたが、やはりそのままの準にほっとしてしまう自分がいました。
物語は基本的に「準が雄真の幸せを第一に考えた夢の世界」で繰り広げられるのですが、一言で言ってしまえば初めからハーレム状態なわけです。いきなりすもも×かーさんで始めちゃってますし、選択肢によっては実母である御薙先生とまでやっちゃいます!?
かーさんのシーンがあったのは個人的には嬉しいですけど、これまでの準の行動からするとこの世界には矛盾があるように感じました。「夢の世界」ですから何があってもいいんですけど、「あの」準が作った世界としてはおかしなところがあるのです。
- 男同士はダメなのに母親と絡ませるのってどうよ
- そもそも夢の世界で雄真が幸せだったのか
本編はぴねすのころから準が雄真のことを好きだという表現は節々にあらわれていましたが、準自身は男である自分は雄真とくっつくべきではないと考え、常に親しい男友達として接していました。そうした判断はやはり一般的に考えて男同士の組み合わせには問題があり、自分はともかく雄真に迷惑がかかってしまうために、準が一番に望んでいる「雄真の幸せ」を達成することができないと考えたゆえの結論でしょう。
そういった微妙な心境を持ち前の明るさで隠してふるまう様とこ〜ちゃ氏の魅力的なグラフィックで絶大な人気を呼んだのでしょうが、これが夢の世界での事象と矛盾する気がするのです。男同士の組み合わせに問題があるとするのは結局は社会的に考えた場合です。もし雄真が準のことを好きになるのであれば当人同士では問題がありません。それでも準が雄真に本気でアタックしなかったのは、準にとっての雄真の幸せは周囲からどう見られるかが重要だからです。
あの学園だけで構成される社会だったら問題ない(どのキャラクターも許容してくれると考えられます)のでしょうが、準にとっての望みはそんなものではなかったはずです。将来を見通して学園を飛び出し、さらに広い社会に出ても雄真と一緒にいたかったはずです。しかし、そうするとやはり問題になってくるのは男と男という関係です。
1つ目の疑問に関して社会的な問題のあることを雄真にさせることはできないと準が考えたのなら、実の母親と雄真を絡ませる世界を作り出したのがおかしな気がしましたが、結局社会的な問題はあの学園だけという嬉しい閉じた社会ではまったく生じないわけです。それなら準もアタックしてしまえばいいじゃないかと思いますが、それは準の望むところではないでしょう。
しかし、次に2つ目の疑問が出てきます。そもそも雄真の幸せをベースに考えた世界と言いながら、いろんな女の子とえっちし続けるだけの世界にいる雄真はどう考えても幸せには見えませんでした。これは準と雄真の気持ちのすれ違いを表現していたと考えることができます。準は雄真が自分のことを好きになってはいけないと考えていました。
夢の世界で雄真が他の女の子と多くの関わりを持たせるようにしていたのは「男ではなく女の子と付き合うのが雄真にとっての幸せ」と準が強く考えていたからでしょう。でも、シナリオの最後には雄真は準が好きだったことに気付きます。結局あの世界が雄真にとってそんなに幸せなものではなかったのは、こういったすれ違いの結果なのではないでしょうか。
なんにしても準のけなげな面がうまく表現されていた非常に気持ちの良いシナリオでした。まだ1本しかやっていませんが、自分の中で一番良かったシナリオになると思います。
性同一性障害者は何か性に関する辛い出来事から自己の性を否認しているわけではなく、妄想症状の一形態としてそのような主張をしているわけでもなく、利得を求めての詐称でもなく、(代表的な症例では出生時から)自己の性別に違和感を抱き続けているのである
今回準の身の上話が出てきましたが、やっぱり準は当てはまると言えるでしょう。現実にこういった症状に悩んでいる人たちをテレビで見たことがありますが、困難なことを知っているからこそ明るくふるまえる準がすごいな、けなげだなと思えるのかもしれません。