京都観光・・・はなさそうです

PCカンファレンス2日目。


e-Learningに関する分科会とアンケート手法に関する分科会を中心に見て回ろうと思います。明日の最後にタイピングの練習法に関する発表があるらしいので、ちょっと期待しています。ちなみに昨日の初めのシンポジウムでCIEC TypingClubの開発者の方がパネルディスカッションに参加していたらしいですね・・・。パンフレットにタイピングの「タ」の字も載っていなかったので完全に聞き逃しましたorz


とりあえず昨日の日記にポスターセッションの感想を書いてみました。
今日は主に情報教育に関するシンポジウムの感想です。
眠いので情報教育の現状より下はテキトウですが悪しからず。
(徐々に追記するかも)

情報教育のシンポジウム

情報教育に関するシンポジウムに参加してまたちゃっかり発言してみたのですが、質問の答えが意図したものと違ったのでちょっと質問の仕方がまずかったようです。関西の人は満足するまで延々喋り続けるので(偏見)どこで口挟んでいいのかわかりませんよー。


はい、話がそれました。このシンポジウムでは全国の大学1年生にアンケートを取って、高校でどのように教科「情報」に触れてきたか、大学でどのようなことを学びたいかといったことの分析と発表の後、高校の先生とどのような情報教育を行っているか、行うべきかというパネルディスカッションを行いました。


ここで聞いたことと思ったことを以下にまとめて書いてみたいと思います。

高校の情報教育の現状

発表を行った先生のWebページに結果の一部がアップされているのでリンクしておきます。アンケートの取り方・分析の仕方に多少難があるとおっしゃっていましたが(対象者のバイアスの評価とか)、最新の生のデータとして非常に貴重なデータであると思います。
CIECアンケート


先に確認しておくと「情報」という科目は学習指導要領の必修科目として決められています。しかし、現状4人に1人がまったく受けていない状況が明らかになっています。しかも、これを受けていたと言っても1年のときだけ、あるいは1年の前期だけ、極端なところで言えば1時間だけといったところもあるようです。進学校であれば情報の授業が他の授業にすり替わっているということも多々あるそうですが、これはPC講座の受講生と話していてもよく聞く話です。


ちなみに情報の授業にはA,B,Cと3種類あり、基本的にはアプリケーションの使い方を基本とした情報Aが広く教えられているようですが情報Aの範囲も非常に広いため、たとえ情報の授業を受けてきたとしてもその学んだ内容については大きな格差が生じているのが現状です。


また、学んだ内容について例えば「エクセルで関数が使えるか」という質問があったのですが、情報の授業を受けた人の割合に対してかなり低い値となっていました。これは、たとえ情報の授業を受けていても上に書いたとおり1年のときだけといった場合が多いので、大学に入るころにはすっかり忘れてしまっているという現実を示しています。


しかし、忘れたといっても特定の機能を忘れてしまうのは普段利用している人にとってもよくあることであり、そういう人は少し調べればたいていすぐに思い出せるはずです。1年のうちにやっても忘れてしまうではないかといっても、一度やった人とやっていない人では大きな差が生じるのでやる意義は大きいことに変わりはないと思います。一方で、使い方を忘れてしまった人が大学に入ってから使うようになるかというと、そうはなりにくいはずです。やはり理想として1年のときだけと言わず継続的に使ってもらうことが必要ですね。


次に3人の高校の先生からそれぞれの「情報」の授業のやり方について紹介してもらったのですが、やはりこういう場で発表するだけあってかなり質の高い授業*1をしているなという印象を受けました。問題なのはこういった授業が一部でしか行われないため、これを受けた学生と受けていない学生間の格差が大きくなってしまうということです。

学生のタッチタイプ習得への期待

アンケートにもあるように情報の授業を受けているにもかかわらず、タッチタイピングができるようになりたいという要望は依然として高い。タッチタイピングを習得するための時間がない、教える先生自身がタッチタイピングできない、あるいはそれをマスターさせるべき方法論を持っていないなどさまざまな要因が考えられるが、現実にできていない学生は非常に多い。


今年のPCカンファレンスではこの話題に関する話がいたるところでなされ、先生方の問題意識もかなり高いように思われる。タイピングは読み書きのスキルと同様に小学生で教えられるべきだという意見もあるが、やはり未だに理想でしかなく、できない人が続々と大学に入ってくるのが現状である。(ローマ字入力かカナ入力かという論争もあったりする)


PC講座でも(時間があれば)タッチタイピングの講座は行いたいと考えているが、なかなか実現には踏み切れていない。今年の秋ごろにでも一部の学生を対象にやってみたいものだ。ちなみに明日の分科会でタッチタイピングの練習法に関する発表があるのでしっかり聞いてこよう。

情報教育で目指すべきこと

「情報」が就職に直結する高校もある。
「情報」は大学入試に無いため唯一独創性や問題解決能力といった内容に触れることができる。
「情報」は生活の中で必然性のある学びとするべきだ。

情報教育が大学の情報系に与える影響

高校でやる「情報」と大学にある「情報系学科」の内容には大きな隔たりがあるものの、同じ情報という名を持つことによって学生や親に大きな誤解が生じ情報系に進学する人が減っているらしい。高校の情報でワードやエクセルを勉強したのだから、わざわざ大学に入ってそれを習わなくてもいいだろうと考えてしまう人も多いようだ。


そもそも「情報科学」というのが何を指すのかさっぱりわからないという問題がある。「数学」であれば中高でもやるので、きっと証明とかばっかりやってるんだろうなという印象を受ける(話を聞いてみるとやっぱりそんな感じらしいが)。「情報」に関してはIT革命やら情報の時代だとかいう文句によって、言葉だけ先走ってそれが何を指すのかが不明瞭になってしまっているという問題がある。


科目「情報」ができたのをこれ幸いと、「情報を扱える」というのはワードやエクセルを使えるようになることだというイメージが広がってしまったのではないだろうか。情報系に属する自分にも情報科学とは何ぞやという疑問があるので、どうしようもない気はしないでもない。シンポジウムの中であった一つの意見として、ソフトウェアを「使う側」ではなく「作る側」になるのだというのがあったのだが、この言葉で本当に誤解無く説明できるのだろうか。


今度先生に聞いてみようと思う。
ぶっちゃけ情報科学に限らずよくわからない単語は多い。
最近「極限知能デバイス」という単語を見かけたが全然想像がつかない。

大学生協のパソコン講座のあり方

さまざまな現実が絡み合って高校から大学に入ってくる1年生に結局どういう授業をしていくべきなのか。「情報」の授業を受けていない学生が多いという現状を考えれば、そうした学生に対して今までどおりパソコンの使い方を基本として大学のレポートなどと絡めた講座を行っていくのはありだろう。


しかし、それでも全体的なレベルは徐々に上がっていくはずであるし、受講生内のスキルの高い人低い人の格差も大きくなっていくはずである。スキルの高い人は初めから受け入れない、スキルの高い人には低い人に教えさせる、低いレベルから高いれべルまで広い内容を扱う講座を行う。


さまざまな方法が考えられるが何のためのパソコン講座なのか、受講生の最終目標はどこなのかという原点に立ち返って考えていくべきだろう。うちらのパソコン講座ではこういう話し合いをほとんどしていない。たぶん話し合いをすれば互いに好き勝手言い放題になるだろうが、互いの認識が違うことを認識することだけでも重要だろう。

他大学・高校の先生との交流

今回はさまざまな大学の先生と意見交換することができた。
こういったコネクションはどんどん作っていきたいと思う。
というか社会人の人から名刺をもらえると嬉しい( ´∀`)

*1:学生の興味や自主性をうまく引き出しているという意味