ゲド戦記面白いではないか

これは失敗作だという評判ばかり聞いていたので,全然期待しないで見たおかげか普通に楽しめた.ちょっと物足りないところはあるけれど,悪くないと思うよ僕は.

追記

ゲド戦記は今週の金曜ロードショーでやるらしい.ま,テレビ無いからDVDで見るしかないんだけどね.ちなみに,原作の一,二巻を読んでから見るのをお勧めする.
影との戦い―ゲド戦記 1
こわれた腕環―ゲド戦記 2


この映画を見る2年ほど前に原作の一,二巻だけ読んでいた.三巻で壮年になったハイタカとアレンが遭遇するのでこの映画を見るにはちょうどいい背景知識を持っていたことになる.実際,三巻もちょびっとだけ読んだんだけど,映画と原作ではアレンの登場シーンがちょっと違うみたいなので,二巻まで読んでいるのがちょうど良いのかもしれない.

そんなわけで,テナーが登場したシーンは感慨深かったし,アチュアンの墓所という単語だけで懐かしいイメージを思い出すことができた.逆に言えば「カゲ」のこととか原作読んでないといまいちなのかなという気はした.んー,全体的に説明不足な感じはあったかも.
僕の評価は基本的に原作評価が映画にも反映されているとは思うけど,映画の雰囲気は原作をよく表現できていたんじゃないだろうか.ハイタカジブリ的表現の中で上手く再現されていたように思えるし,寺嶋さんの音楽もとても素敵だった*1

ただ,ストーリーについてちょっと疑問に感じるのは,ハイタカが「世界の均衡が崩れている」のを問題視して旅をしていたのに,結局この映画の中じゃ途中で現れた邪魔者を片付けただけなんだよね.んで,テルーがドラゴンでしたー,アレンは国に戻りますー,ってそこで終りですかっ!と突っ込まざるを得ない.

とは言っても世界の均衡が崩れている原因が人間であり,その人間にとって特に重要な生と死の問題についてアレンと敵役であるクモが取り組み,解決に至ったっていうのはそれなりの顛末ではあるのかもしれない.

続きがあるならぜひ見たいね.というか原作の続きを読もう.

あ,最後にもう一つ.
テナーとテルーとアレンの声が微妙だった.

*1:サントラだけはずいぶん前に借りてよく聞いてた