飛鳥配列練習まとめその2

昨日(飛鳥配列21-290でTWJK総合XA達成!! - tomoemonの日記)の続き。

飛鳥配列とタイピングゲーム

飛鳥でタイピングゲームをやる点に関して昨日書いたようなことはRayさんがすでに書かれていましたね。まさかタイピングゲームで打つこと自体を否定されてるとは思いませんでした(汗
飛鳥スレ427さんへのレス|飛鳥カナ配列 ☆未来の子供たちへの贈り物☆

でも、前回トモエモンさんのタイピングゲームの例を出しましたが、やはり親指シフトの飛鳥ではタイピングゲームをやって欲しくないですね。
それこそ、「超速い打鍵=超負担の多い打鍵」になるので元々打鍵の負担が大きい親指シフトで、超高速の打鍵を繰り返してやって貰っては、指が悲鳴を上げるのは必至ですから。
それに、タイピングゲームで出てくる言葉は、わざと打ち難くしてあるので出現率の低いカナの出現率が何倍にも高くなるのです。

これについて今日いろいろ考えてみましたが僕に言えるのは、Rayさんが否定しているタイピングゲームにおける飛鳥は僕にとってJISかなより打ちやすかったということです。指への負担もそれほど大きくなっているようには感じませんでした。
どちらにしろサンプル数が少ないので結論は出せない現状にも関わらず(おそらく自身を例に)飛鳥使用者を一般化して負担が大きくなるから危険と言いきってしまったり、タイピングゲームすべてを一般化して実用とは程遠いから打たないでと否定しまうのはどうかなと思います。親指シフトで高速打鍵している人が腱鞘炎になりやすいとかいうデータはあったりするんですかね?

追記

これも昨日の日記で紹介していただいたサイトにありましたね。

「V.キーそのものの機能を高めるくふう」では, 脳の運動野がほかの 4本の指に対して親指の領域だけが離れた位置にあること, 親指の運動の向きがほかの指と90度違っているために, とくにほかの 4本と親指の同時打ちを行なうときには手首の負担が大きくなり, 長時間親指を多用すると手首に障害があらわれかねないことを指摘している

なるほどなるほど。

飛鳥配列における打ちやすいワードの分布

今度は完全にタイパー向けの話題です。当たり前といえば当たり前の話題なのですが、練習初期から感じていたことなので書いておきます。結論から言うと「ローマ字入力やJISかな入力に比べて飛鳥配列は打ちやすい単語と打ちにくい単語が偏っている」ということです。

ローマ字入力を例に打ちやすい単語と打ちにくい単語を考えてみると、例えば「かんとう」が打ちやすく「わざわざ」が打ちにくいと言えるでしょう。ここで、もう少し具体的にかな一文字の入力に要する時間が短いものを打ちやすい単語という事にします。
これによって例えばタイプウェルに登録されているすべての単語の打ちやすさを求めることができます。打ちやすさは先ほどの条件から数値にできるので、[0から0.5]の単語数、[0.5から1]の単語数という風に打ちやすさの頻度分布表を作るとおそらく以下のような正規分布の形になると思います。

これが飛鳥の場合は極端に書くと下のような感じになってます。(普通に考えればこっちも正規分布ですがわかりやすくするためにこういう形にしました)

ローマ字やJISかなに比べて全体の単語に占める打ちやすい単語と打ちにくい単語の頻度が増えています。また具体的な単語を例に出すと、飛鳥21-290では「たじたじ」はシフト無しの4打鍵(;E;E)で打つことができます。タイプウェルだと爆速です。一方「つまずく」は同じ4打鍵ですが(右L左L左H右J)と全部シフトが必要でしかも切り替えが二回もあるためかなり遅くなります。
シフト無しで打てる面を「表」と言いますが、この表で打てる文字のうち濁点込みの文字(じぎぶび等)が入った単語だとJISかなに比べて大きく高速化するわけです。逆にかなにして一文字分にしかならないキーで親指シフトを必要とする場合は親指シフトの分遅くなります。さらに、親指シフトの切り替えや連続シフトによる手の動きの制限が入る単語はより遅くなります。

さて、分布がこのような形に変わることで心配なのは記録の一般性です。練習ごとに出てくる単語はランダムに選択されるといっても、打ちやすい単語が多く選択されることやその逆の場合があるのは皆さん実感されていると思いますが、打ちやすい単語がより打ちやすくなることで速いときはすごい速い記録が出るが、そうでないときは一気に記録ががた落ちする可能性が高くなります。実際、飛鳥で練習していて、これはスムーズに打てたと思ってもかたや3秒台のラップでかたや5秒台のラップになるというのはよくあります。それでは全体の記録のほうも毎回大きくばらつくのかといえば実際そういうことはありませんでした。さすがに数十の単語を抽出してくることで全体の打ちやすさは平滑化されているようです。

この問題はある配列が特定のタイピングソフト(特定のワードセット)において特に優位に立てる可能性があることを示しています。先ほど書いたように、現状で飛鳥配列がタイプウェルにおいてより簡単に優位な記録が出しやすいということは無いようですが、タイピングソフトの記録を用いて配列の高速性を図ろうとする場合は単語の打ちやすさの分布を考慮する必要がありそうです。タイパーにとっても「ある配列Aが特定のタイピングソフトZに強い」場合に、Aを使ってZのランキングに殴り込みをかけていたことがわかったらすごくつまらないでしょう。現状ではタイプウェルのように単語のサンプル数が非常に多く、一度の試行でそれなりの数の単語を抽出するソフトではこの問題は小さいように思います。

この問題の定式化について、あるワードセットからランダムに一定数の単語を取ってきて打鍵速度を測定し、それをもとに正規分布の曲線を求めることができるのではないでしょうか。正規分布がわかれば後は毎回の試行で平均的にどの程度の速度が出せるか、ある記録を出すために必要な試行回数もわかりそうです。統計に詳しい人おせーてください。
1-gram、2-gramで打ちやすさを定義して、それをベースにすべての単語の打ちやすさを定義する方法とかは配列の評価とかで使ってたような気がしますが実測とどれくらいあってるのか気になりますね。ローマ字の打ちやすさ定義みたいなのがあったら教えてください。

コメント欄も参照のこと。

追記

かえでさんに教えていただいたサイトでこのことが書いていましたね。親指シフトがタイピングの大会で一位を取れた理由がまさにこれらしい。

また, オアシスがワープロコンテストでトップになったのは, キーボードの配列のためではなく, 高頻度の語に短いコードを使ってコード入力をしたためである, とする。

Oyayubi Shift Problems


P.S.
今日はこれ全部飛鳥で打ったけどまだスムーズに打てるとは言いがたいなー。とりあえず括弧()が「右Q左@」というのはものすごく打ちづらい。ちょっと変えよう。