文脈干渉効果
MIND HACKSという本に文脈干渉効果というものが載っているそうで、タイピング練習とも関係しそうな事柄なので少し調べてみました。
下は水泳の例で文脈干渉効果という項目の中に書かれていました。
Style1 心理的影響
・ブロック練習
クロールを20本泳ぐような同じことを繰返す練習
・ランダム練習
個人メドレーやドリルなどいろいろな練習がごちゃまぜの練習
技術レベルのアップから見ると、これらはそれぞれ特徴があります。
ブロック練習の方が、一次的には技術力が高まりますが、
長期的にはランダム練習の方が記憶に強固に残ります。
下はヨーヨーの例です。eagleOwlさんは僕でも知ってる有名人です。
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この文脈干渉効果は、ヨーヨーやジャグリングといった運動記憶(技能記憶)を必要とする分野で強く現れます。また、練習する技能がある程度身についてから効果が発生することもわかっています。すなわち、トリックの習得を始めたばかりの頃は成功させるために一回一回試行錯誤を重ねるため、運動の内容は毎回違うものとなります。しかし、ひとたびトリックが成功すると、それほど慎重にならなくても一応トリックが決まるようになるため、徐々に文脈干渉効果の影響を受けやすくなります。
文脈干渉効果というのは、練習の対象とは別にそのときの状況(文脈)が記憶を引き出すときに干渉するということなんでしょう。そして、上の2つの例からこの効果が与える影響はそのときの能力や習熟度に依存することがわかります。
タイピングの例をあげるなら、水泳の例にあるブロック練習をタイピングにおけるAtoZに、ランダム練習をそのままランダムアルファベットに置き換えるとよくわかります。AtoZはいくら練習してもAからZという流れ(状況)でしかアルファベットのキーの位置を認識できません。ランダムアルファベットの方がキーの位置記憶という点においては効率的であることはわかると思います。
タイピングを始めたばかりのうちは文脈干渉効果はキーボードを空間的にどれだけ把握しているかに依存します。タイピング初心者がAtoZを練習した場合はほとんどキーの位置把握はできていないので、文脈干渉効果は発生せずに「ある程度」は位置の把握に役立てることができます。これはAtoZ練習とヨーヨーの例における「ひとたびトリックが成功」するまでの練習が対応しています。僕の経験によればAtoZにおける「ある程度」は結構低いレベルです。位置の把握を完全にしようと思うなら必ずほかの練習が必要になります。
レベルという言葉を出したので、テキトウですが下から上までを考えてみようと思います。下のツリーでそれぞれの項目は特定の状況を示しています。ここでは特定のソフトやそのモードで書いていますが、キーボードにタオルをかけて打つというのが入ってももちろんいいです。たいていは直接入力の下層から入っていって、さまざまに練習方法を変え、練習ソフトを変えて習熟度を上げていくはずです。そして、タイパーならある状況で強くなってもほかの状況で強くないというのはよくわかるはずです。
- 日本語入力
- 毎パソ
- 直接入力
- Typing of the Dead
- ストーリー
- ドリルモード
- タイプウェル
- 国語R
- オリジナル
- Typing of the Dead
こういうツリーを作って、ある段階に達したらこの練習をしてみましょうという指標を作っても面白いのかも。まぁ、嗜好や習熟度は人それぞれなので難しいですかね。でも、こういう考え方で練習方法を分類するのは参考になるに違いない。