「ググれ」へのアイロニー?

例年通り一回目の講座ではインターネット検索をしています。検索エンジンとしてGoogleを使うことを伝え、検索のテクニックとしてAND検索、OR検索、NOT検索、フレーズ検索、とは検索などをはじめに教えるのですが、実際に検索するとGoogleでは見つけることができないテーマを使うわけです。


コンテンツを作ったスタッフからすれば受講生が簡単に見つけられるようなテーマでは面白くないだろうと考えてのテーマなのでしょうが、Googleのデータベースに入っていない情報をGoogleでキーワード検索させるとはなかなか腹が黒い人たちです(笑)


今回のテーマは
「出身地の2006年各月の平均気温を調べよう」


というものですが、このデータというのは気象庁のデータベースに登録されているわけです。一部の地方自治体などが個別にWebページにアップしている場合もありますが、すべての場所について調べようとすれば気象庁のページに行かざるを得ません。


一般に検索エンジンを使って検索できる対象は各エンジンが持っているデータベースに入っているインデックスだけです。この中にはクローラがWeb上から見つけてきたファイル(html,pdf,ppt,doc,xls等)のインデックスが大量に格納されています。日常使う分にはWeb上の情報ならなんでもかんでも見つけられると思いがちですが、その一方で、検索エンジンはほかのサーバに保存してあるデータベースの中身を覗き見ることはできませんし、ログインが必要なページをインデックスに加えることもできません。


これはすなわち、何らかの情報を独自にデータベース化している「専門家」がいる場合はそちらを参照しないと目的の情報を得られないことがあるということです。今回の場合は気象データの専門家である気象庁のページに行かなければいけないのですが、そのことを知らずに「地元の都市名 平均気温 2006年」などと検索しても気象庁のページにはなかなかたどりつけません。


検索力と言うと検索エンジンを使って目的の情報をいかに早く見つけ出せるかということに焦点を当てがちですが、このように専門性の高いデータベースの存在を知っているか、使い方を知っているかということも重要な要素の一つであることは間違いありません。大学では論文データベースを使うことは頻繁にあるし、図書館にある本を探すなんて誰でもできて当然のことです。


そう考えると今回の講座のようなテーマは面白いかもしれませんが、Googleの存在も知らないような受講生にとってはいじめでしかないような気がします・・。