タイピングのリズム練習

タイピングの練習方法について書いているテキストを読んでいると「リズム」という単語をしばしば見かけます。多くの場合そこに書かれているのは「リズムよく打ちましょう」といった感じで音楽におけるリズムについて語ったものではありません。初心者がまず身に付けないといけないのはリズムではなくキーの位置を把握することなので、このままでまったく問題ないのですが、音楽のリズムを意識して練習すると高速打鍵時に発生するミスを解消できるのではと思ったのでメモしておきます。

まず問題意識として、高速打鍵時に発生するミスの原因に次のようなものをあげることができます。ほかにもいろいろあると思いますが今すぐ思いつくのはこれくらいです。

  1. テキストを読み間違える
  2. キーを押す位置がずれる
  3. 片方の手で指の打つべきタイミングがずれる
  4. 右手と左手の打つべきタイミングがずれる

1と2についてはここでは置いときます。3は片方の手で連続して打鍵するときに良く発生するミスで「さわられた(sawarareta)」のような文字列を打つときに打つタイミングが指ごとにずれることがあります。4は両方の手を使う文字列(つまりほとんどの文字列)で発生するミスで記録や勝負に焦っているときによく起きます。(僕の場合)

基本的に全力全開の速度で打とうとするときに問題になる話なので、要するに速く打つときにリズムが崩れるわけです。ここで、速くやるとリズムが崩れてしまうという問題で思い出したのがピアノで速いフレーズを弾くときにやった練習です。

著作権の切れた楽譜をショパン 無料楽譜ダウンロードより。

昔何ヶ月かかけて練習したショパンの幻想即興曲です。こういう速いフレーズをいきなり弾こうととすると大体右手が走ってしまいます。音符の流れは理解できていて次にどこに指を持っていくべきかは分かるのですが、全力の速さで弾こうとするとタイミングずれてしまうわけです。なんかタイピングの問題と似ている気がしませんか。

こういうときにやったのがリズムを変えた練習です。初心者向けの教材には結構載っていた記憶があるので楽器経験者はご存知だと思います。上のように16分音符がずらずらと並んでいる場合に例えば次のようにリズムを変えて弾いてみます。

元:タタタタタタタタ
リズム1:タン・タ・タン・タ・タン・タ・タン・タ
リズム2:タ・タン・タ・タン・タ・タン・タ・タン
リズム3:タン・・タタタ・タン・・タタタ

タとタンで書いても分かりづらいかもしれませんが*1、音符の長さを適当に自分で変えてみるわけです。これでなぜリズム良く弾けるようになるのか、そういえば僕は理由を考えたことがありませんでしたが経験的にそういう練習をして弾けるようになったので自分では信頼できる練習法です。

いきなり論拠に欠けてしまいましたが、こういう練習をタイピングでもやってみたら高速打鍵でも本当の意味でリズミカルにミスを少なく打つことができるんじゃないでしょうか。

実は歌詞の文字に合わせて練習する唐子ちゃんもある意味ではリズム練習なのですが、ちょっと密度の高い曲をやってみればほとんどここで述べたような話とは無縁であることはわかるはずです。今回書いてみたようなリズム練習ができるタイピングソフトを作ってみたい今日この頃です。

同じ「キーボード」つながりでタイピング練習をしながらリズム感も身に付けられたら、初見で弾ける曲の幅も広がるのになーという妄想から生まれた文章でした。

*1:はてなで音を出せる記法があるのでそれを使えば良さそう